そばめしの作り方
神戸では、「お好み焼き」や「そばめし」には 「炊き込んだ牛スジ肉」を使う店も多いですが、イカやこんにゃく・もやし等が入ったものもあり、基本的には「お好きにどうぞ」がスタンスです。
ソースは、「オリバーそばめし焼そばソース」と「どろソース」のコンビが絶対的基本ですが、入手が不可能な場合は、最初に混ぜ込むベースの代用ソースを少しひかえめにして、仕上げの「どろソース」の分量を15-20gに増量し、「そばめし独特の味」に近づけて下さい。
材料(約2人前)
■そば玉/中華用蒸し麺可 | 約150g(1玉) |
■白飯/冷やご飯 | 約180g(茶碗1杯) |
■食塩 | 少々 |
■胡椒 | 少々 |
■そばめし焼そばソース 大さじ2杯強(約35g) そばめし焼そばソースは業務用です。 代用のベースソースは焼そばソース・お好みソース等を控えめにお使いください。 |
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■どろソース | 大さじ1杯(約15g) |
■具材 150g程度 牛肉もしくは豚肉・キャベツ・ネギ・ニンジンなど |
調理
1.そば玉に水をくぐらせ、おおまかに切り込むなどして あらかじめ麺を短くしておく。
2.鉄板に油を引き、肉-野菜の順で具を炒め、ごく少量の塩・胡椒で下味を付ける。
3.麺を加えてほぐしながら、さらに麺を細かくきざみ、ご飯を加え充分に混ぜ合わす。
4.ベースのそばめし焼そばソースをからませ強火で水分を飛ばしながら充分に炒める。
5.最後にどろソースでコクをつけながら、お好みの辛さに味を調え、ドライに仕上げる。※かつお節は不要ですが青のりはお好みでかけて下さい。 「そばめし」の出来上がり。
▼そばめしストーリー
最近、京阪神の街角のお好み焼き屋さんのメニューに、「そばめし」という見慣れない文字がしばしば登場します。この文字は特に神戸の下町では以前から顕著で、しだいに全国区でポピュラーなメニューになりつつあります。
「そばめし」とは普通の白いご飯と蒸しそばをコテで細かくきざみ、強い火力で千差万別様々な具を混ぜ込んで鉄板焼きめしのように一気に炒め、特殊なソースで仕上げる神戸下町独特の料理の名称です。聞いただけで「ちょっとなー」的イメージを受ける方も多いでしょうが、はたして期待を裏切らず出来上がりの現物もイメージ通りです。ところがこれがみごとに素晴らしくうまいので、世の中と料理はおもしろいのであります。
作り方は上に記したように 至極簡単ですが、それだけに「押さえて置かねばならないポイント」のようなものがあります。
それは、「いかに、香ばしく仕上がるか」に尽きるのです! !
分厚い鉄板の圧倒的火力を誇るプロの技にどれだけ近づくかと言うことです。
具は早い話、お好み焼にあう物ならなんでも大丈夫です。ごはんは水分を充分にとばします。べたつきやすいソースはウスターやお好み焼・やきそばソースを隠し味程度に使い、仕上げの「どろソース」が一気に勝負を決めてくれます。これ以外にはありません。
この時、鉄板やフライパンの底に誕生したどろソースを含んだ「お焦げ」は特に貴重品で、うまくそぎ取って付け合わせにでもどうぞ・・・。これがまた絶品で、よく兄弟・仲間と取り合いした想い出をお持ちの神戸っ子は少なくないはずです。
「どろソース」もこの兵庫で昭和11年頃誕生しました。
神戸のお店ではそばめしは鉄板の上で熱いままを「箸」でなく、「こて」で食べるのが正しいとされています。